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訴訟ファイナンスビジネスの成長に従い、訴訟ファイナンス当事者の訴訟件数が増加

多様な問題を含む訴訟ファイナンスビジネスは、成長に伴い多数の訴訟を生んでいる。

訴訟は、商業的訴訟資金をファイナンスする会社と消費者向け訴訟資金のファイナンスをする会社、双方を含んでいるが、最近の訴訟ファイナンスビジネスの拡大を反映していると言える。

「法的な事柄につき予見可能性が高ければ、訴訟は起こりにくくなる。当事者が異なる期待と理解をしている場合には訴訟が起こりがちである。」とフォックス・ロスチャイルド法律事務所のピーター・バックリー弁護士は述べている。

これまで訴訟ファイナンスは大規模不法行為訴訟において活用されてきたが、最近では英国バーフォード・キャピタル社のような会社が金額の大きな訴訟の被告にも資金提供するようになってきている。ヘッジファンドやプライベートエクイティが、急成長する訴訟ファイナンスに多額の資金を投資している。

 

「商業的訴訟ファインスと個人消費者向けの不法行為損害賠償請求事件のファイナンスとは大きく異なる。この二つは分けて考えなければならない」とボストンの商業的訴訟ファイナンス会社・レックスシェア社の共同設立者のジェイ・グリーンバーグ氏は述べている。

 

訴訟ファイナンスの資金供与者に対する訴訟データは公になったものが存在していない。しかし、訴訟ファイナンス資金提供者が、弁護士事務所に対して前払い金の返還訴訟を起こすケースはよく起こる。一方、個人消費者向けの訴訟ファイナンスでは資金提供者が当該消費者や規制当局から不公正取引や詐欺的取引を理由に訴えられるケースが多い。

 

今や訴訟ファイナンスの世界規模は、資金のコミットメントベースで約1兆円、米国だけでも約5,000億円と見込まれている。「こうした市場規模の拡大に伴い訴訟資金ファイナンスの当事者に対する訴訟件数は増加していくであろう。」と老舗訴訟ファイナンス会社のIMFベンサム社のアリソン・チョーク氏は述べている。

 

「一方で、大手の訴訟ファイナンス会社に対する訴訟は少ない。なぜなら契約締結までに法的な審査が行われるからである。」とバリディティ・ファイナンス社のラルフ・サットン氏は述べている。大規模訴訟に関与する当事者は優秀な弁護士に代理されており十分に事前に優秀な弁護士から法的アドバイスを受けているため、後日紛争になることが少ないのである。

 

最近の例外事例としては、大手訴訟ファイナンス会社・バーフォード・キャピタル社がロシア富豪から彼の離婚訴訟で妻に訴訟資金ファイナンスをしたことに絡み、ドバイで訴えられているとのニューヨークタイムズ等の報道がある。

 

小規模の商業的訴訟ファイナンスに絡む訴訟では、資金提供者が、弁護士事務所に対して提供した訴訟資金の返還を求める訴訟が多いのが特徴的である。

 

商業的訴訟ファイナンスとは対照的に消費者向け訴訟ファイナンスに関する訴訟は頻繁である。これらの訴訟では訴訟資金を受け取った原告消費者は、州法で契約自体が違法であることや利息制限法違反を主張している。また、州の規制当局が消費者を代理して訴訟遂行を行うケースもある。被告である訴訟ファイナンス会社は、当該訴訟資金提供契約は融資ではなく資産の買取りであると主張している。消費者向け訴訟資金ファイナンスで訴訟が多いのは、通常、利用者が法的な知識に欠けていることにもよる。

消費者個人が勝訴するような州、例えばケンタッキー州、などではChampertyのような第三者からの訴訟資金提供を違法とする法律がある。こうした州はミネソタ州も含め12州ある。一方、訴訟ファイナンス提供者側は、資金提供契約が州法上違法にならないように契約構成するようになっている。

Litigation Funders Become the Litigants as Industry Grows