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訴訟ファンド利用の連邦請求訴訟で大手国際法律事務所Dentonsに対し740万ドルの報酬等の支払いが認められる

大手国際法律事務所Dentonsは、米国合衆国政府に対する訴訟において、米国司法省による訴訟ファンドから弁護士は一切報酬等の支払いを受けてはならないとの主張にも関わらず、740万ドルの弁護士報酬、その他費用の支払いを認められた。本件訴訟は、米国合衆国政府に対して米国軍艦がFastShipの特許権を侵害しているとして争われた。Dentonsは訴訟を始めるにあたり、60万ドルをIPCo LLCから受け取った。FastShipは1,236千ドルの賠償が認められた。

 

ワシントンD.C.の連邦請求裁判所のLettow判事は、司法省からのDentonsに主導されたFastShipの弁護士団は、訴訟費用の一部を提供しているファイナンス契約の存在により弁護士報酬は受け取れないという主張を退けた。Lettow判事は弁護士報酬として620万ドル、その他費用として120万ドルの賠償を認めた。

 

訴訟ファンドが広がるにつれ裁判官はこれまでにない新しい証拠、訴訟費用、更には透明性といった問題を解決しなければならなくなっている。Lettow判事は、訴訟ファンナンスが議論の多いものであり、新しい法領域の問題を含むことを認めている。しかし、連邦請求裁判所は、これまでに訴訟ファイアンスについて判断をしたことはない。

 

連邦裁判所においては、Dentonsの申し立てや司法省の反論も含め、訴訟費用に関する事項は開示されない。Lettow判事も一般論として述べているのだが、彼は、FastShipの事件で働いたDentonsのパートナーとアソシエイトの時間給について述べている。Dentonsの2人の高額な時間給は、パートナーとシニアアソシエイトで、それぞれ平均$835と$669であった。Dentonsは、2012年に代理人弁護士として就いた際、IPCoから着手金として60万ドルを受け取った。

 

訴訟ファンドは、代理人弁護士に弁護士報酬の支払いを保証しつつ、資金提供者に賠償金の一部を勝訴の場合には提供することで「橋渡し」の役目をしているとLettow判事は述べている。本件においてIPCo が法的請求権と訴訟のギャップを埋めることで、FastShipは特許権侵害訴訟を遂行できることになったのである。

 

司法省は、本訴訟の当事者はFiastShipであるということについて争っていた。FastShipの顧問弁護士が、バージニア州法人の合同会社IPCoのメンバーであり、マネージャーでもあることで問題が複雑化していたのである。

 

Lettow判事は、「もし訴訟ファンドの事実を開示させる規則があったなら、本裁判所はIPCoの本訴訟での役割に気づいたかもしれない。しかしIPCoの代表者の役割は早くから明らかになっており、この点につき裁判所が事実を隠蔽されていたわけではない。」と述べている。

 

更に、「彼は訴訟代理人弁護士ではなく、利益相反も存在していない。彼の役割は独立しており、不適法な行為を行った証拠もない」と述べている。Lettow判事は、訴訟ファイナンスが特許制度と同様に濫用される危険性いついても検討している。しかし、判事は、Dentonsに弁護士報酬として特別の利益が与えられたことはないと認定している。

 

Lettow判事は、「濫用の危険性は、制度全体の毀損を意味するものではない。裁判所が、訴訟ファイナンスの透明性を求め、影の当事者が不当な影響を及ぼし、利得を得ないよう注視しなければならない。開示により裁判官は利益相反による潜在的問題の可能性を適切に判断できるようになる」と述べている。

 

Law.Com 2019/07/01
Mike Scarcella
https://www.law.com/nationallawjournal/2019/07/01/dentons-wins-7-4m-in-fees-costs-despite-litigation-finance-agreement/