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米国連邦裁判所著名判事が引退後、サンフランシスコの訴訟ファンドに参加

連邦第7巡回区控訴裁判所判事を引退したリチャードポズナー判事は、引退後、精力的に司法制度へのアクセスを高める活動をしている。80代の判事は訴訟ファンドの世界に踏み込んでいる。但し、彼は、新興産業の巨大組織に参加するのではなく、2016年にハーバード大学の二人の学生が設立したサンフランシスコのスタートアップのファンド、Legalistにアドバイザーとして参加したのである。

 

「私の判事引退後のこの主な動機は、裁判制度が、訴訟当事者に金銭的な負担なく利用できなくなっていることからきている。」とポズナー判事はLegalistの発表で述べている。「訴訟ファンドは、正当な権利を持っていながら弁護士を雇う金のない企業家への救済手段なのである。」と更に述べている。

 

Legalistは、Y Combinatorに当初、支援され、世界発のAIにより支援された世界初の訴訟ファンドと売り込んでいる。この会社は、対象訴訟の判断を連邦と州の裁判記録をアルゴリズムで分析している。この会社は、資金提供額が100万ドル以下の「ダビデとゴリアテ」にのみ特化していると言っている。

 

EJF CapitalのBrian Rothによれば、 最近では、訴訟ファイナンスが市場リスクから遮断されることばかりでなく、訴訟ファイナンスで高収益が得られている。二桁のリターンも珍しくはないのである。GLS Capitalの David Spiegelによれば、市場変動性の高い中で高配当を求めて投資資産としては未成熟な訴訟ファイナンスに投資する投資家もある。

 

「判事は引退後、司法制度への公正なアクセスの拡大に力を注でいる」とLegalist CEOのEva Shangは述べている。「訴訟ファンドは、中小企業が質の高い弁護士を雇い、本来得るべき正当な結果を手に入れることを可能にするものである。」

 

シカゴ大学の講師でもあるポズナー判事は、「本人訴訟・ポズナーセンター」を立ち上げ、本人訴訟の当事者の支援をすると共に、プロボノ活動も行っている。過去、40冊以上の著書のあるポズナー判事は現在「アメリカ法の維持と発展」という著作に取り組んでいる。

 

American Lawyer, Dan Packel, 2019/06/20
https://www.law.com/americanlawyer/2019/06/20/posner-casts-lot-with-litigation-funding-underdog-legalist/